【映画感想】きみに読む物語
はぁ〜めっちゃ好きなやつでした…。
まず時代が好き。古き良きアメリカ、というやつでしょうか。昔のミスドのイラストみたいな雰囲気。
見終わると、その時代を生きて、現代までたどりついたような気持ちになります。
印象に残った点は2つ。
①青年ノアの変化
最初は女を落としたければとにかく押せ!のやりたい盛りのヤングに見えてたのが、どんどん印象が変わっていきました。
お父さんに愛情深く育てられた、柔軟で繊細な心の持ち主なんだなあと。
(登場したのはたった数シーンだけど、このお父さんめちゃいいお父さんだな、っていうのが伝わってきてすごい。)
だから、両親や社会に与えられた規範に縛られていたアリーの心を解放することができたんだと思います。
そのノアが失恋→徴兵→親友、父の死と人生の試練を受けていくうちに、すっかり面差しが変わっていくのがすごい。
家を修繕、そして売る、の自暴自棄のくだりは見てて震えあがりました。
やべえやつや…でも最高にエロい顔になってる。最高。
②アリーと自由
一見、金持ちで容貌にも恵まれ、自由奔放に人生を謳歌しているかのようなアリーだけど、だからといって心が自由なわけではない。
心の自由と、慣れ親しんだ階級での安定した暮らし。
アリーママの言うこともめっちゃわかる。人間、貧すれば鈍するんだもん。娘にそんな人生歩ませたくないのは当然です。しかも人生こうなりましたよ〜っていう目に見える結果までお出しされると、説得力がありすぎて、「ハイ…」ってしおれておとなしく結婚してしまいそう。
しかし、それはあくまでアリーママの選択と人生に対する見方なんだよね。
「ノアといる自分とあなたといる自分が全く別人みたいな感じなの」
これを自覚して、人生の選択をしたアリーは勇気ある女性だと思います。
知事も呼んで、ドレスまで作っちゃった後始末どうしたんやろ…現代なら婚前不履行で賠償金ものでは、とか色々考えてしまいますがね…
ノアの「両親でもヤツでも俺でもなく、きみのしたいことを選べ」ってセリフがめちゃめちゃ好きです。「俺」がちゃんと入ってるのがノアのすごいとこだよ。