【映画感想】マイ・プライベート・アイダホ
深く交わったようで結局は交わってなどいなかった二人の青年。終盤の埋葬のシーンで感じた、二つの世界の隔たりがどうしようもなく辛い。
男娼のマイクが、男娼仲間のスコットと一緒に、自分を捨てた母親を探す旅をする話です。
イタリアまで付き合ってくれるスコットはいいやつだよね。友達としては。
ストレスを受けてナルコレプシーの発作が起きるたびに世話焼いてくれるし。
しかし、マイクのとてつもなく重い生育歴と辛い現状から生まれた孤独の穴を埋められる相手じゃない。
良家の子息として育ったスコットは、育ちの良い人がどんな相手にもするようにマイクに親切にし、青年期の反逆を終え、自分の住む世界に帰っていった。それだけ。
でもそれはマイクにはとても残酷なことだったよな〜〜〜。
スコットとの時間が、あの焚き火の側での一夜が、今後も掃き溜めで生きていくであろうマイクの宝物になったか、というと、どうもそういう風にも見えないし。
なんとも言い難い虚無感、寂しさが胸に残りました。