【漫画感想】よしながふみ著 大奥17巻
知らないうちに出てた!amazonで著者フォローしてるのに通知とかないの?ねえ!!
amazon見てて、視界の端におすすめがひっかかったのを見逃さなかった私えらい。
よしなが先生が複数の作品で扱われてるテーマに家族関係(特に母子)、フェミニズム、ひいては「女性が仕事をして生活していくということ」があります。
今作でも、そのあたりがしっかり描かれていて、読み応えありました。
①観行院と和宮
母親に愛して欲しい和宮。息子だけが一番の観行院。
この平行線の二者の心が交わることはありませんでした。
たとえ母娘であっても、人と人。
日本は母親幻想(聖母幻想かな?)がとても強い社会だと、以前カウンセラーの方に伺ったことがあります。
うまくいくことも、いかないことも当然どちらもあるのだと、よしなが先生がいつも描いてくださるところがとても好きです。
②家茂の子作り問題
現代ならともかく、国のトップで政務切り回してたら、物理的に出産してる暇がない。
そりゃそうだよな〜〜〜〜と思いました。
今の時代の女性にも通じる問題ですよね。どんなに育休とか福利厚生が篤くても、さくっと産んでさくっと復帰!なんてできるかどうかなんてわからないし、そこは自分でコントロールできないところです。仕事を選ぶ人もいるでしょう。仕事の盛りと安全に出産できる時期が重なっちゃうの、悩ましい。
③慶喜残念問題
問題なのは慶喜公がそのように自分以外の者たちにも面目矜持があり
それを傷つければ慶喜公自身が恨まれてしまうのをわかっておらぬこと
なのだ
引用元:大奥17巻126ページ
これな…ほんとこれな…!
料理人に対するエピソードからも
「仕事は良い結果出して当たり前、立場が上の者、能力がある者に従うの当たり前!当たり前のことをしてる人間を褒める必要がどこにある」みたいな考え方のせいで、なんだかうまいこといってない人が描き出されててひぃぃ、ってなります…
④新しい家族の形
産んでる暇がないしそもそも月のものが止まってる家茂は養子を取ることに。
ごく普通の価値観を持つ和宮は「女性同士で、本物の夫婦じゃないのに親になってていいの?!」とビビりますが、家茂はどこまでも柔軟な考え方で現状を肯定していきます。
まことに信頼に足る人物ならば夫婦でなくても
二人で人の子の親になっても良いではありませぬか!
引用元:大奥17巻181ページ
これから現代の日本もこういう流れになるのでは、なったらいいなあと思います。
家茂、袿袴とか束帯姿とか色々お着替えしててかわいかったなー。
次巻では家茂は亡くなってしまうのかな〜〜〜。
上様にチョコラBBをもてー!と言いたい。
英明な為政者の物語を見るのは楽しいけど、ヤンウェンリーもラインハルトもアルスラーンも早逝するのだ。そういうものなのだ…
あと勝先生の無精髭最高。